大好きだった野際陽子さんに追悼

NHKの『耳をすませば』という番組で、野際陽子さんについての特集が組まれていた。

私は、彼女が演じる姑役が面白くて好きだったので、彼女が肺腺癌で亡くなったと聞いたときは茫然としたものだった。

ドラマなどでは性格のきつい、さっぱりした「女傑」という言葉がぴったりの役を演じることが多かった野際さんだったが、その人柄はとても優しく、丁寧で柔らかな物腰の女性だなあと色々な番組に出演なさっている姿を拝見するたびに感じていた。

肺腺癌での闘病は2年以上に及んだという。

それでも彼女は引退をせず、第一線での活躍を熱望し、そしてその通りにドラマに出続けた。

彼女が亡くなった時も、出演していたドラマ『やすらぎの郷』の放送中だったのだ。

手術や抗がん剤治療を受けながらのドラマ撮影は本当にきつかっただろうと思う。

彼女はその居住まい・佇まいすべてが美しい、近年まれに見る大女優の1人だった。

最近の女優さんたちも綺麗だけれど、野際さんのように視聴者を引き付ける演技ができる女優はと聞かれてもパッとすぐには浮かばない。

特に『トリック』での主人公・山田奈緒子の母を演じられた時などはもう大笑いして見ていたが、ああいう奇想天外な女性をさっぱりと演じ切られるところも素晴らしいと思ってみていたものだった。

ふと、この日記を書きながら、彼女の演技をもう見られないのだなあと思って寂しくなってしまった次第である。

本当に素敵な人だった。