時間が経っても景色はずっと変わらない

とある路線の電車に乗っていると、私は昔を思い出してしまう。

学生時代ある人と付き合っていた。

その人は一人暮らしをしていたので、

私はその人の家にしょっちゅう通っていた。

改札を出て、商店街を歩いて、彼の家に行っていた。

その人とはあっという間に別れてしまったけど、

通った街の思い出はいつまでも忘れられない。

この間久しぶりにその路線を使った。

ぼーっと窓の外を見ていたら、懐かしい景色が飛び込んできた。

一緒に歩いた商店街。家の近くのコンビニ。

急に思い出してドキドキしてたら、あの人の家も見えた。

もうあの家に住んでいるはずなんてないのに、

あの人が道を歩いている気がして、思わず探してしまった。

あれからもう何年も過ぎているのに、

電車から見える景色はずっと変わらない。

あの景色を見るたびに、私はすーっと過去に引っ張られてしまう。

初めてあの人の家に行った時にドキドキした気持ち。

手をつないで歩いたあの道。

喧嘩して泣きながら帰ったこともあった。

そういうのを全部、全部思い出してしまう。

思い出した後は、タラレバの嵐だ。

「あのまま付き合ってたら・・・」「あそこで引き留めてたら・・・」

そんなこと考えても仕方がないのに。

今の生活が一番大切なのに。

景色を見るだけで気持ちが振り回されてとても疲れる。

今度あの路線を使うときは目をつぶっていよう。